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導入事例 3次元回転誤差補正の活用|門形5軸機で側面加工や斜め加工の精度が向上|タッチプローブ計測を使用して誤差データを自動設定

兵庫県に本社を置くS社で、門形5軸マシニングセンタの誤差補正マクロプログラムを導入しました。5軸割出時の誤差を、3次元回転誤差補正機能を使って補正する計測補正マクロです。

■お客様:兵庫県S社
■業種:木型/モデル加工
■設備機械:平安コーポレーション社製 NC-151MC型5軸マシニングセンタ
■制御装置:FANUC Series 31i-B5

5軸加工の高精度化

自動車、船舶、航空機等の開発時に製作される試作モデルは、高精度なワークを短納期で製作することが要求されます。加工したワークの検査結果が不合格だった場合は再加工が必要になり、時間や材料の損失が生じます。特に精度確保が難しいとされる5軸加工でも、初品で要求寸法をクリアする一発良品技術が求められます。

5軸誤差の計測と補正

工具を傾斜旋回させる5軸加工では、旋回中心の座標を基に工具先端点の座標を計算し、刃先の位置決めを行います。しかし実際の刃先位置と計算位置とには誤差が生じます。この誤差を回転軸の全ストロークについて予め計測しておき、加工時にその誤差を補正するシステムを“3次元回転誤差補正”機能を使って実現しました。

3次元回転誤差補正とは

3次元回転誤差補正は工具を傾斜旋回させる回転軸(例: A軸,C軸)の位置情報をもとに、直交3軸(X,Y,Z)の誤差補正を行うFANUC制御装置の補正機能です。誤差補正画面に設定された補正データをもとに、工具先端点の位置の誤差がなくなるように補正量を計算します。

補正データの取得が煩雑

この3次元回転誤差補正機能を使うためには、まず誤差補正画面に設定する補正データを取得する必要があります。しかしダイヤルゲージ等を使った手動測定には膨大な時間がかかります。

タッチプローブを使って補正データを自動計測

そこで今回は、基準球とタッチプローブを使って誤差を自動計測して、補正画面に自動入力するマクロプログラムを製作しました。A軸5点、C軸9点、合計45点の補正点数についてX,Y,Z軸の並進補正データを自動入力しました。

3次元回転誤差補正の効果

3次元回転誤差補正を導入する前後の5軸割出精度を、基準球とタッチプローブを使って計測しました。導入前最大0.08mmの誤差が導入後0.01mmになり、誤差補正の効果が確認できました。

3次元回転誤差補正とタッチプローブ計測マクロを導入することで、5軸加工精度が向上しました。

ボール計測マクロ、5軸マシニングセンタの心出し、誤差補正でお困りの方は、お電話またはフォームからお問い合わせください。

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