基準球・基準ボールを用いた旋回中心計測手順(テーブル回転形)
※主軸回転形についてはPDFを参照してください。
テーブル回転形の傾斜軸を持つ機械で、X軸回りの回転軸A軸の旋回中心座標(Y0, Z0)を求める手順です。Y軸回りの回転軸B軸の旋回中心座標(Z0, X0)の場合は、A, Y, ZをそれぞれB, X, Zと読み替えてください。
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1. A0°における基準球中心(Y1, Z1)の測定
- 1-1
- 基準球の直径をマイクロメータ等で測定し、それをDとします。
- 1-2
- テーブル上面のZ位置をテストバー等で測定し、それをZtとします。
- 1-3
- テーブル上面にダイヤルゲージをあて、カウンタZにテーブル上面の位置Ztをプリセットします。
- 1-4
- テーブルに固定した基準球のZ軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタZの読みをZsとします。
- 1-5
- A0°における基準球中心のZ座標をZ1とすれば Z1=Zs-D/2
- 1-6
- A0°における基準球中心のY座標を主軸に取付けたダイヤルゲージ等で振回し測定し、それをY1とします。
2. A90°(またはA-90°)における基準球中心(Y2, Z2)の測定
- 2-1
- A0°に割出し、基準球のY軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタYをゼロセットします。
- 2-2
- A90°(またはA-90°)に割出し、基準球のY軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタYの読みをdYとします。
- 2-3
- A90°(またはA-90°)における基準球中心のY座標をY2とすれば Y2=Y1+dY
- 2-4
- A0°に割出し、基準球のZ軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタZをゼロセットします。
- 2-5
- A90°(またはA-90°)に割出し、基準球のZ軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタZの読みをdZとします。
- 2-6
- A90°(またはA-90°)における基準球中心のZ座標をZ2とすれば Z2=Z1+dZ
3. 旋回中心座標の計算
- 3-1
- A0°の基準球中心を(Y1, Z1), A90°の基準球中心を(Y2, Z2)とすれば、A軸旋回中心(Y0, Z0)は
Y0=(Y1+Y2-Z1+Z2)/2
Z0=(Z1+Z2+Y1-Y2)/2 - 3-2
- A0°の基準球中心を(Y1, Z1), A-90°の基準球中心を(Y2, Z2)とすれば、A軸旋回中心(Y0, Z0)は
Y0=(Y1+Y2+Z1-Z2)/2
Z0=(Z1+Z2-Y1+Y2)/2 - 3-3
- B0°の基準球中心を(Z1, X1), B90°の基準球中心を(Z2, X2)とすれば、B軸旋回中心(Z0, X0)は
Z0=(Z1+Z2-X1+X2)/2
X0=(X1+X2+Z1-Z2)/2 - 3-4
- B0°の基準球中心を(Z1, X1), B-90°の基準球中心を(Z2, X2)とすれば、B軸旋回中心(Z0, X0)は
Z0=(Z1+Z2+X1-X2)/2
X0=(X1+X2-Z1+Z2)/2
(参考)
傾斜軸0°の基準球中心を(I1, J1), 傾斜軸A°の基準球中心を(I2, J2)とすれば、傾斜軸旋回中心(I0, J0)は
I0 = [I1 + I2 – J1*{(sinA)/(1-cosA)} + J2*{(sinA)/(1-cosA)}]/2
J0 = [J1 + J2 + I1*{(sinA)/(1-cosA)} – I2*{(sinA)/(1-cosA)}]/2
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