基準球・基準ボールを用いた旋回中心計測手順(テーブル回転形)


※主軸回転形についてはPDFを参照してください。

テーブル回転形の傾斜軸を持つ機械で、X軸回りの回転軸A軸の旋回中心座標(Y0, Z0)を求める手順です。Y軸回りの回転軸B軸の旋回中心座標(Z0, X0)の場合は、A, Y, ZをそれぞれB, X, Zと読み替えてください。


PDFで読む(326KB)

1. A0°における基準球中心(Y1, Z1)の測定

1-1
基準球の直径をマイクロメータ等で測定し、それをDとします。
1-2
テーブル上面のZ位置をテストバー等で測定し、それをZtとします。
1-3
テーブル上面にダイヤルゲージをあて、カウンタZにテーブル上面の位置Ztをプリセットします。
1-4
テーブルに固定した基準球のZ軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタZの読みをZsとします。
1-5
A0°における基準球中心のZ座標をZ1とすれば Z1=Zs-D/2
1-6
A0°における基準球中心のY座標を主軸に取付けたダイヤルゲージ等で振回し測定し、それをY1とします。

2. A90°(またはA-90°)における基準球中心(Y2, Z2)の測定

2-1
A0°に割出し、基準球のY軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタYをゼロセットします。
2-2
A90°(またはA-90°)に割出し、基準球のY軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタYの読みをdYとします。
2-3
A90°(またはA-90°)における基準球中心のY座標をY2とすれば Y2=Y1+dY
2-4
A0°に割出し、基準球のZ軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタZをゼロセットします。
2-5
A90°(またはA-90°)に割出し、基準球のZ軸方向にダイヤルゲージをあて、カウンタZの読みをdZとします。
2-6
A90°(またはA-90°)における基準球中心のZ座標をZ2とすれば Z2=Z1+dZ

3. 旋回中心座標の計算

3-1
A0°の基準球中心を(Y1, Z1), A90°の基準球中心を(Y2, Z2)とすれば、A軸旋回中心(Y0, Z0)は
Y0=(Y1+Y2-Z1+Z2)/2
Z0=(Z1+Z2+Y1-Y2)/2
3-2
A0°の基準球中心を(Y1, Z1), A-90°の基準球中心を(Y2, Z2)とすれば、A軸旋回中心(Y0, Z0)は
Y0=(Y1+Y2+Z1-Z2)/2
Z0=(Z1+Z2-Y1+Y2)/2
3-3
B0°の基準球中心を(Z1, X1), B90°の基準球中心を(Z2, X2)とすれば、B軸旋回中心(Z0, X0)は
Z0=(Z1+Z2-X1+X2)/2
X0=(X1+X2+Z1-Z2)/2
3-4
B0°の基準球中心を(Z1, X1), B-90°の基準球中心を(Z2, X2)とすれば、B軸旋回中心(Z0, X0)は
Z0=(Z1+Z2+X1-X2)/2
X0=(X1+X2-Z1+Z2)/2

(参考)

傾斜軸0°の基準球中心を(I1, J1), 傾斜軸A°の基準球中心を(I2, J2)とすれば、傾斜軸旋回中心(I0, J0)は
I0 = [I1 + I2 – J1*{(sinA)/(1-cosA)} + J2*{(sinA)/(1-cosA)}]/2
J0 = [J1 + J2 + I1*{(sinA)/(1-cosA)} – I2*{(sinA)/(1-cosA)}]/2



→ 基準球・基準ボール(ボール計測用)をお探しの方

ボール計測マクロ、5軸マシニングセンタの心出し、誤差補正でお困りの方は、お電話またはフォームからお問い合わせください。

お急ぎの方、文章では説明しにくい、何をどう説明すれば良いか分からないという方はお電話がおすすめです。「ウェブで見たボール計測について聞きたい」と言っていただければOKです。精度不良、工数短縮でお困りの方、お問い合わせお待ちしております。